急いで準備を済ませホテルのロビーに向かうと、そこには既に男子メンバーの姿があった。
「みんなゴメン!ちょっと遅れちゃったー!」
顔の前で手のひらを合わせている紅羽先輩を見た瑞兄は、涼しげに笑う。
「別に良いよ、紅羽。女の子は準備に時間が掛かるって分かってるし。未愛は、しっかり眠れた?」
「って、う…うん!」
まさか瑞兄に話を振られるとは思っていなかったから、少しだけ不自然な反応をしてしまったあたし。
昨日の事が忘れられず、緊張したかのように答えると、朝から元気な由羽先輩の声が辺りに響き渡った。
「そんじゃ、揃ったことだし行きますか!」
「今日はどこ行くの?」
「会長サマ作・旅のしおりによると、時計台だってさー!」
その瞬間、生徒会の定例会議の時と同じように、小杉春流の顔が曇り始めた。
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