照れ臭くて言えやしない言葉を心の中で吐き出したり、なんて行為をしていると、あっという間にあたしの涙は止まった。
勢いよく流れていたせいか、涙はもう枯れきった、って感じ。
「さて、泣き止んだことだしそろそろ戻るか。みんな心配してんだろ」
「そうだね…」
小杉春流の言葉を聞いた途端に、心が拒否反応を起こしそうになった。
ホテルに戻るって事は…瑞兄と顔を合わせないとダメだって事。正直、どういう顔して会えばいいかが分からない。
「オイ、モタモタすんじゃねぇよ。本当にドン臭ぇな、お前」
「アンタに言われたく無い!」
あたし、必至に自分の感情と戦ってるんだから、ちょっとは空気読んでよ!
心の中で小杉春流への文句をブツブツと言っていた時―――
「未愛っ…!!」
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