吐かれた言葉の意味を、頭が理解してくれない。
「い、今何て―――」
「本当は瑞希に冷たくされて辛かったんだろ?此処だったら、俺以外誰も居ねぇしさ。
――――泣いてすっきりすれば?」
「本当にアナタは小杉春流なの?」
「何意味の分かんねぇ事言ってんだ」
正直、にっくき小杉春流の口から、そんな言葉が出てくるとは思わなかった。
だけど、あたしの心は本心を突かれてまで隠し通せる、そんな発達したモノでは無いから。
現実を受け入れるより先に、気持ちが一気に押し寄せてきてしまった。
「…うぅーッ!!」
生まれて十五年、決して瑞兄の前でも泣かなかったあたしが、
―――小杉の前で、初めて泣いた。
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