浮かない気持ちでも、瑞兄の後ろ姿を見て「カッコイイ…」と思ってしまうあたしは、かなりの重症患者。
…でも、寂しかった。
瑞兄は、来学の生徒会長。
まだ二年生だけど、圧倒的な支持率で会長になってしまったらしい。
そんな、みんなの人気者の瑞兄を、あたしだけが独り占め出来る訳がない。
だからこそ来学に入学して、瑞兄を様々な魔の手から守ろうとしてたのに!
でもでもでも。
よく考えろよ、あたし。
会長としての瑞兄が入学式で挨拶する事により、他の女の子が瑞兄に惚れて、ハーレム状態になったら…
「あたしの立場ないじゃん!守る時間があったら、アタックしないと…!」
モタモタしてらんないよ!
パニックに陥ったあたしは、カバンを振り回し始めた。
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