日は沈み、辺りは暗い世界に覆われている。
あたしは小杉に連れられて、ホテルの近くにある公園のベンチに居た。
「ホラよ。離してやるよ」
「…って、思いっきりあたしの腕を掴まないでよ!痛いじゃんか!」
コイツ、手加減ナシにあたしの腕を掴みやがった。一応あたしだってか弱い女の子なのに…!
出会った頃に比べると、だいぶ口数も会話も増えた気がするけど、やっぱり小杉春流は憎い。
憎いモノは憎いっ…!!
「で、何がしたかったの?」
「何がって?」
「さっきの連れ出しの事よ!瑞兄にしっかりと見られたし、何て思われてるのか―――」
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