瑞兄の態度が急変してから、まだ一回も会話を交わしていないし、目だって合っていない。
こんな冷え切った関係、イヤなのに。
勝手に自暴自棄に陥っていると、斜め前に座っていた小杉春流が、突然立ち上がった。
「春流、トイレ?」
「ちょっとな」
紅羽先輩の問い掛けを濁したまま、小杉春流は歩き出す。―――何故か、あたしの方に向かって。
そして気が付くと、あたしは腕を掴まれていた。
「コイツ借りるから。行くぞ」
「…は?」
「オイ、早く立てって」
「って、小杉春流…!?」
小杉春流はあたしの腕をグッと力強く引くと、早歩きでバイキングを出て行く。勿論、あたしを連れて。
…一体、どういうつもりなの!?
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