あたしは小杉春流の着ているジャケットを掴んでグイッと引っ張ると、耳元で囁いてあげた。 「そんなんじゃアンタ、一生カノジョ出来ないよ?」 「校則破って恋愛してるヤツに比べれば、全然マシだと思うけど?」 小声でそう言い残した小杉春流は、ジャケットを掴んでいるあたしの手を離すと、勝ち誇ったような態度で前を歩き始めた。 な…何なのアイツは! キー!本当に腹が立ってきた! このどうしようも無い気持ちを瑞兄で癒して貰おうと、あたしはルンルン気分で近付く。 「瑞兄ーっ!」 .