「うげっ…」
「未愛、心の声出てる。そして女の子なんだから、下品な声は出さないの」
瑞兄は、あたしの頭をポンポンと撫でる。
その行為にキュンとしながらも、あたしは目の前に立ちはだかる建物を見て、呆然と立ち尽くしていた。
宮殿ですか?と思わず聞きたくなる校舎に、整備された自然たち。
…そうだった。
忘れてたけど、来学は超が着くほどのお金持ち高校だったんだ。
「俺入学式の準備してくるから。未愛も早めに体育館に来いよ?」
いつまでも固まっているあたしにしびれを切らしたのか、瑞兄は一人校舎の中へと入ってしまった。
…しょぼーん。
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