目の前で繰り広げられる全力の言い合いに、若干チキンハートが発動しながらも、マスクとサングラスを取られた筆談ナンパ男が、
―――あたしに素顔を見せた。
「驚かせてゴメンね、未愛ちゃん」
「やっぱり…由羽先輩だ…」
「って、そんなに冷たい目で見ないで!紅羽だけでなく、未愛ちゃんにも軽蔑の眼差しを向けられたら、俺…!」
今度は泣きマネを始めた由羽先輩の対処に本気で困っていると、後ろから瑞兄の声が。
「こうなった由羽は止めれない。ほっとけほっとけ」
「あ、おはよう!」
挨拶を交わしている瑞兄の後ろには、やっぱり表情が浮かない様子の小杉春流の姿。
ブスッとしているけど、“俺に構うな”って言われたし、構ってなんかやらないけどね!アッカンベーッ!!
―――そんなこんなで、生徒会研修in北海道、いよいよ始まりです!
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