「まず最初に、今年の予算案について。由羽、予算案の原本は出来てるか?」
「勿論!俺、紅羽のせいで仕事出来ないって思われてるけど、こういう事は早いんだからな?」
「さすが由羽だな。じゃ、由羽が作成した予算案のプリントを見てくれ」
瑞兄のスピーディーな進行により、たくさんの項目がスパっと決められて行く。
…生徒会の力って、凄い。
想像以上に、学校の中心である生徒会は激務が多くて、心身共に疲れる事が多い。
それでも弱音一つ吐かずに、学校の為に、生徒の為に動ける来紋学園生徒会は、カッコイイと思う。
この何とも言えない感覚は、生徒会に入ってみないと分からない事だ。
「未愛ちゃん、ここの議題のメモ、よろしくね?」
「はい!」
紅羽先輩の優しい言葉により、あたしの生徒会に対する思いの強さは、より一層深まっていった。
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