「まぁ…そう緊張せずに、適当に考えとけよ」
「はぁーい…」
こんな大舞台に慣れていないあたしには、瑞兄の言う「緊張せずに」が、イマイチ理解出来ない。
やっぱり瑞兄は、大物サンだよ。
考えを張り巡らせながら瑞兄に返事をすると同時に、何処からかこっちに近付いてくるような足音が聞こえてきた。
そっと振り返ってみると、
「未愛ちゃん、生徒会に入る事が決まったんだって?」
「未愛ちゃんみたいな可愛いコが入ってくれたら、俺頑張れそう!」
「少し黙れ、バカ兄」
「紅羽先輩に由羽先輩!それと―――?」
さっき知り合った、紅羽先輩と由羽先輩と…見た事の無い男の子が立っていた。
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