「そうとなれば、早速だけど仕事をして貰うからな?」
「いいよ!いくらでも仕事してやるから!」
今のあたしは、瑞兄でも止められないと思う。やる気が心の底から溢れ出して来て、止める事が出来ない。
一人で闘志を燃やしている間にも、瑞兄は一人でどこかへ歩き出していた。あたしは急いでその後を追う。
そして、瑞兄はマイクが置いてある台の前で止まり―――そっと、赤いボタンを押した。
よく耳にするお決まりのアナウンス音が流れる中、そっと瑞兄の口元が動くのを、あたしはジッと凝視していた。
「来学生徒会よりお知らせです。只今より緊急集会を行うので、第三体育館に集合して下さい。繰り返します―――」
って、今授業中だよ、瑞兄!すっかり忘れてたけど、とっくの昔に授業始まってるんだよ?これ、アリなの!?
放送を終えた瑞兄が、ニッコリと笑顔を浮かべながら、あたしを見てきた。
「未愛。お前に最初の仕事を与える。全校生徒の前で就任挨拶だ」
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