…今、何て言った?
瑞兄の予想外の結論に、あたしは呆然と口を開けたまま動く事が出来ない。
「あたしが、来学の、生徒会役員…っ?」
「ああ。未愛は、来学の“恋愛禁止”という校則を無くしたいんだろ?」
「も、もちろん…!」
「…なら、話が早い。生徒会に入って俺を含めた全校生徒に、校則を変えたいというやる気を見せろ」
…あたしが“恋愛禁止”という校則を変えようという、やる気?
瑞兄は答えを早く出せ、などと急かすような事はせずに、あたしの出す答えをそっと待っている。
瑞兄は、あたしにチャンスを与えてくれているんだ。
万が一、此処であたしが引き下がったら、瑞兄は絶対に“恋愛禁止”の校則を変更しない。
でも、あたしが生徒会に入って、たくさん活躍する事が出来れば、瑞兄の気持ちも少しは動くかもしれない。
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