「んじゃ、俺達は戻るな」
「由羽に紅羽、迷惑掛けたな。放課後も会議頼むわ!」
由羽先輩はあたしを肩から降ろすと、紅羽先輩と一緒に教室へと戻って行った。
…って、あたし瑞兄と二人っきりじゃんか!ヤバイ…心臓が暴れ出しちゃうよ!
今にでもこのシチュエーションに、赤い物体を鼻から噴出させそうで怖い。冗談じゃなくて、本気で。
「おい未愛、今から大事な話するから、よーく聞いとけよ?」
「な…何?」
「昨日、お前は“学園内での恋愛禁止”が嫌だって言ったろ?で、今日早速、生徒会役員と話しあった。
―――“未愛みたいな生徒が居るんだが、どうするか”って」
…どうしよう。想像していた以上に話が大きくなりすぎてるよ。“退学”の二文字がリアルに思えてくるよ。
あたしは覚悟を決めて、目をギュッと瞑った。
「それでだな、未愛…。
お前を、来紋学園の生徒会執行部役員に任命する!」
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