その瞬間、あたしの身体はふわり、と浮いたような感覚に襲われる。
お腹付近には何か暖かいモノを感じるし、腰にはヒトの手のひららしき物体が動いている気がする。
そして、いつもより自分の視線が高い位置にある。違和感がアリまくりだ。
恐る恐る、下を向いてみると…。
「ぎゃぁっ…!?」
「あ、こんにちは!」
―――爽やかな挨拶を交わしながらあたしを担ぐ、見知らぬ男の人の姿があった。
「ちょっ、誰ですかぁーっ!?」
「俺は、長谷川由羽(はせがわゆう)!ちなみに生徒会副会長だから!よろしくなっ」
…長谷川、由羽?
どっかで似たような名前、聞いた事があるような…。
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