そんな思いに耽っていると、あたしは大事な事を伝え忘れていた事に気が付く。
由羽先輩に邪魔されて、すっかり忘れていた。
「そういえば、聞いてください!」
「未愛ちゃん?」
紅羽先輩が、顔を傾げながらあたしの顔を見る。瑞兄も、由羽先輩も、あたしの言葉を待っているんだ。
胸の鼓動がだんだんと速くなっていくのを感じながら、慎重に言葉を選んでいく。
「あたしのクラスにある男子が居るんですけど、実はさっき―――」
実際に来たメールを生徒会メンバーに見せながら、あたしの推測を説明すると、みんなの表情が一気に変わった。
「未愛…お前、いい仕事してくれたな」
「瑞兄」
「今から全員外に出て、サッカー部のグラウンドに向かうぞ!」
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