二日目の事だった。
様子がおかしい小杉春流のみぞおちを殴って、瑞兄達に先に時計台に行って貰った時の事。
知ってしまった、小杉春流の両親の事と、留年してしまったワケ。
無意識に小杉春流の身体を抱きしめてしまったその時に、学園長が出してきた写真を撮られてしまった事。
生徒会役員なのに、自覚を持たないで行動してしまった、あたしが全て悪かったという事まで、全部、打ち明けた。
「ほんとに、ごめんなさい…。せんぱいたちのたいせつなあいつを…あたしがうばってしまって…ッ―――!」
最後まで言い切ると、もう言葉が発せなかった。
心がボロボロに傷付いていく。でも、小杉春流の傷の方が、あたしよりも何倍も深いはず。
ごめん、ではこの罪は償えない。元はと言えば、校則を破ってまで温め続けてきたあたしの恋心のせいなのに。
あたしが被る予定だった罪を、小杉春流は自分を犠牲にしてまで、無くして。
アイツはあたし以上のバカだよ。大バカモノなんだよ。
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