行かないで。
ダメだよ。イヤだよ。
小杉春流が罪を全部背負うなんて、あたしが絶対に許してなんかやらない。
だけど、そんな気持ちを声に出して伝えるなんて事は、学園長が放つオーラや小杉春流の顔を見ていると、出来なくて。
「そうだな。潔く認めたんだ。学園長室へ行こうか」
「が…学園ちょう…」
「国友さんも名前を呼び捨てにしたりして悪かったな。そして君は被害者だったんだな」
「―――っ、ち、違いま…」
「自分を責める事はもう無いから。それでは生徒会諸君、これからも来紋学園をよろしく頼むな」
その言葉を最後に、小杉春流は学園長の手下に身体を拘束されたまま、生徒会室を後にした。
「ごめんな」とあたしに向かって口パクでの言葉を残したまま。
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