何であたしの事を庇うのよ、小杉春流。
あたしだって立派な同罪、というか主犯者なのに。
「学園長っ…!小杉春流の言葉を信じないで下さい!コイツはあたしの事を庇って―――」
「…黙れ!」
必死に学園長の誤解を解こうとした時、小杉春流のドスの効いた声が、あたしの言葉を遮断する。
小杉春流はすっかり忘れていたけど、学年中で浮いている存在のヤンキーだ。普段は優しく接してくれるけど、その気になると喧嘩だってする。
そんな小杉春流のドスの効いた声に対して、ただ単純に恐怖心を感じてしまった。
「俺は留年もしたし、こんな外見だってしてる。立派なヤンキーであり問題児だ。そんなヤツを、この際処分したくないですか?」
淡々と、小杉春流の口から聞こえてくる話は、自分を貶(けな)しているように感じてしまう。
「さあ、行きましょうか、学園長」
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