「数日前、匿名でこの写真が我々の元に送られてきた。最初は何かの間違いだと思っていた」



「学園長…」



「だが、今日の来紋戦でこの騒ぎだ。我々も黙ってはおけない」




迂闊(うかつ)だった。


いくら感情的だったからって、小杉春流を抱きしめるんじゃなかった。北海道とはいえ、いつ、誰に見られているかなんて、分からないのに。


しかも、あたしと小杉春流は生徒会役員。もっと自覚を持っておけば―――




「学園側としては、一連の騒動は校則を破ったものをみなす」



「聞いてください、学園長!あたしは―――」



「言い訳など聞かない。さあ、学園長室に来るんだ。処分を決めるぞ」




聞く耳を持たない学園長は、後ろに従えている手下に合図を出すと、あたしと小杉春流の身体に手を伸ばす。


「止めて!」と思わず叫びそうになった時、身体中の血液が止まるような感覚に襲われた。




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