「な…何コレ…」
学園長の手により、突如テーブルに現われた物体を見て、言葉を失ったまま動けない。
それはあたしだけでなく、瑞兄も、紅羽先輩も、由羽先輩も、小杉春流も同じだった。
特にあたしと小杉春流は、より深刻そうにその物体を目に焼き付けている。
「これが何か分かるよな?国友未愛、そして小杉春流」
学園長が持ってきた物体とは、写真。しかし、その写真に写っている光景に問題があった。
何故か、あたしと小杉春流が抱き合ってる写真だったのだ。それも、何枚も。
写真に写っている服装、風景からして、きっと生徒会研修の時に撮られたモノで間違いなかった。
小杉春流の留年の事実を初めて知った、あの時計台の日だ。
「誰がこんなモノを―――」
「国友未愛、そして小杉春流。どうやらこの行動に見覚えがあるらしいな」
学園長の言葉が、針やトゲになって、あたしを攻撃してくる。
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