「此処に居たのか、国友未愛、小杉春流」
「学園長…!!」
咄嗟に叫んだ瑞兄は、あたし達の姿を隠すように、現われた学園長の前へと向かう。
その光景を見た紅羽先輩と由羽先輩も、瑞兄の後へと続いた。
―――誰も逆らえないような、強い意志を秘めた瞳に、反論する事が許されない、強い口調。それが、我が来紋学園のトップ。
スーツを着た、いかにも取り巻き的な人を数人従えてやってきた学園長は、ギロリと目を光らせ、瑞兄達を見る。
「ほほう。これは生徒会長の高橋瑞希君ではないか。そこを退いてくれないか?」
「断固拒否します。学園長、お引取り下さい」
それでも、瑞兄も負けてはいない。生徒の間でも怖いと恐れられている、無敵の学園長に睨みを効かせている。
一触即発の雰囲気というのは、まさにこの状況の事だろう。
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