生徒会室はグラウンドの目の前に位置している為、窓からは来紋戦の風景が隠す所なくお披露目されている。


本部テントでは、瑞兄を始め、紅羽先輩や由羽先輩が忙しく動き回っていた。


あたしと小杉春流が抜けている状態だから、仕事の量も増えてしまったんだ。




「本当に、瑞希達には迷惑掛けてるな…」



「そうだね…」



「さっきまで昼休みだったから、いくらでも俺達を連れ出すチャンスはあった。なのに、アイツらはそれをしなかった」



「…きっと、あたし達をかくまってくれているんだよね」




恋愛禁止の学校で、全校生徒の前でキスをして、みんなを煽る事になってしまって。


保護者も少ないながら見学に来ているこの状況で、抗議の意見が上がるのも時間の問題。


それに、学園長などのお偉いさんの耳にも入っている事だろうから、あたし達はタダでは済まないと思う。




「そんな状況になる事を予想して、あえて瑞兄達は、あたし達を人前に出してないんだろうね」




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