「先に自己紹介でもしとくか。俺は生徒会役員の小杉春流だ。コイツと一緒に仕事してる」




“コイツ”の所であたしに向かって親指を向ける小杉春流は、更に話を続ける。


あんなに騒がしかったグラウンドが、一瞬にして静まり返った。




「グダグダした説明は俺は大キライだ。だから、意味が分かんねぇかもしれないけど、行動で示させて貰う」




小杉春流は、何を言っているの?

行動で示す?グダグダした説明は大キライ?



チラッと真横に視線を移すと、残りの生徒会メンバーもあたし達の方を真剣に見ていた。


特に、瑞兄は今すぐにでもテントを飛び出してきそうな程に落ち着かない様子で。




「国友未愛が借りてきたモノは―――」




小杉春流の声が、耳に降り注がれる。と同時に、肩を力強く掴まれ引き寄せられた。途端に、嫌な予感があたしを襲う。


まさか―――!!




「コレだ」




次の瞬間、あたしの視界は真っ暗になり、少しの間だけ唇に人の体温を感じた。




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