そして、遂に。あたしと小杉春流は一着でゴールテープを切ってしまった。


待ってました!と言わんばかりに、笑顔でマイクを近付ける来紋戦実行委員に戸惑ってしまう。




「一着は、生徒会役員の国友未愛さんです!さて、何を借りてきたのでしょうか?」




何を言えばいいのかも、何をやればいいのかも、サッパリ分からない。


小杉春流の謝罪の意味も、この不安の理由も、全てに戸惑いを覚えてしまう。


覚悟を決めてマイクを取ろうとすると、手首を掴んでいた小杉春流の手がマイクに伸びて…




「おい、よーく聞け」




偉そうに、そう発していた。


あたしは小声で、隣に居る小杉春流に尋ねてみるけど。




「ちょっと!今から何する気?」



「お前は黙ってろ」




口元を押さえられ、強制的に黙らされてしまうハメに。




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