「み…瑞兄なの?」
「瑞希、俺ら閉じ込められた。ドアが開かねぇんだよ!」
「マジか?ちょっと待っとけ。今から開けてやるから」
そう答えた瑞兄は、カチャッと鍵を開けて、閉じ込められていたあたしと小杉春流を救出してくれた。
久しぶりの新鮮な空気に、少しだけ肺が悲鳴を上げたが、そんな事はどうでもよかった。
「ありがとう、瑞兄!」
「二人とも無事で良かった。でも、何で人気(ひとけ)の無い資料室に閉じ込められたんだろうな」
「確かに。何でだろうね、小杉春流」
「…さぁ」
腕を組み、硬い表情を浮かべっぱなしの小杉春流を不審に思いながらも、あたしは再び瑞兄に視線を向けた。
―――疑問は色々残ったままだけど、いよいよ、来紋戦開催です!
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