「な…何?」




あたしと小杉春流は、咄嗟に顔を見合わせる。


ドアの方から聞こえてきた、カメラのシャッターを切る時の音らしきモノや、バタバタと走って行く足音が耳に入る。


…一体、何?




「おい、国友未愛」



「ど、どうしたの…?」




何かを考えている素振りを見せている小杉春流だったが、一瞬だけ間を置いた後…




「いや、何でも無い。きっと俺の考え過ぎだ」




そう小さく。呟いた。


何かを思い詰めているその表情に、少し心にモヤモヤが残り始めた、その時―――




「未愛に春流、居るんだろ?」




夢にまで見た瞬間が、薄暗い資料室を包んだ。




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