さ、最悪な第一印象…。
「俺が留年すると決定した時、今の生徒会メンバーは、わざわざ学園長室まで行って抗議してくれた」
「抗議…?」
「俺の留年を阻止する為に、ずっと学園長室に立ち篭って学園長と戦ってくれてな。まぁ…留年阻止は果たせなかったけどな」
遠くを見つめるように、小杉春流の瞳が細まる。その目は、思い出を懐かしそうに振り返っていた。
「だから正直、生徒会メンバーは由羽さん、紅羽、瑞希と俺だけで良いと思ってた。信頼出来る人にしか、俺の素顔を見せたく無かった」
「小杉春流…」
「で、そんな時にお前が入る事になって、あの言葉が出た。そんな所かな」
初めて語られる、小杉春流のあの言葉の真相に、胸の苦しさが解放された気がした。
何の考えも無く、あたしに“大キライ”って、言った訳じゃ無かったんだね…。
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