少しばかり面倒臭そうな表情を浮かべる小杉春流は、「早く言え」とポツリと呟く。
何だか、アイツらしい対応の仕方。
「まず一つ目。今も気に入らないと思うんだけど…何で初対面のあたしに“大キライ”なんて言ったの？」
「は？」
「忘れてるなんて言わせないから！地味にあたし傷付いてたんだからね？」
好きになれ、そう言いたいんじゃないけど。人に嫌われているという事は、相手が誰にしろ、とてもとても悲しくて、切ない。
きっとその気持ちは変わっていないだろうけど、それでも少しずつ距離を縮めている今なら、話してくれると思った。
真剣な話に硬直するとばかり思っていた小杉春流だが、あたしの予想を見事に裏切り、余裕な表情でフッと笑う。
「別に俺はお前の事、嫌いじゃねぇよ」
「え？で…でもアンタ―――」
「嫌いだってハッキリ言ったのは事実だ。確かに、第一印象は“煩くてしつこいヤツ”だったからな」
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