あまりにも冷静過ぎる小杉春流の言葉を受けて、急いでケータイの画面を見てみるが…。
「う、嘘でしょ…？」
ヤツの言う通り、ケータイの待ち受けには寂しく“圏外”の二文字。
これで、あたし達の自力脱出は、ほぼ不可能になった。
「だったらあたし達、どうすればいいの…？」
「誰かが俺達の異変に気付くまで、此処でジッとしとくしかないだろ」
「こんなにペンキ臭い場所で？しかも、よりによってアンタと！？」
「しょうがないだろ。そんぐらい我慢しろ。そのうち、瑞希か誰かが心配して来ると思うけどな」
「そっ…そんなぁ…」
あたしは突き付けられた現実に、ガクン…と肩を落とした。
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