小杉春流はまだ資料室の中に居る為、ドアは風か何かが原因となって、勝手に閉まってしまったモノだと思っていた。
だけど、小杉春流がドアノブを回しても、押しても、ドアが開く事は無くて。
…これって、まさか。
「誰かに鍵、掛けられたみたいだな」
「…って事は、あたし達、閉じ込められた?」
「だろうな」
資料室の鍵は、何故か内部には付いておらず、外から開け閉めするタイプのモノだった。
という事は、必然的に自力の脱出は不可能という事になる。
資料室の中は真っ暗。その上、空気は臭くて最悪。しかもペンキの匂いに酔ってしまいそう。
「そうだ!ケータイで瑞兄に知らせればいいんだ!」
「言っとくけど、ここ圏外」
な…なんですとー!?
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