…でも。
「ペンキって何処にあるの?」
ペンキを探す道のりは、そう簡単なモノでは無かった。資料室に着いて棚や床、あらゆる場所を探すが、なかなか見付からない。
本当に此処にペンキはあるのだろうか。
「…これはホームセンターで買わなきゃダメなパターン?」
「ココにあるじゃねぇか」
「ありがとー取ってくれて…って、うぎゃぁーッ!!」
聞こえるハズの無い人物の声が聞こえてきて、あたしは女のカケラも無い叫び声を上げる。
恐る恐る振り返ると、何故かそこには、赤色のペンキを持った小杉春流の姿があった。
「ア…アンタ!いつ入ってきたのよ!」
「さっき普通に入ったけど、アンポンタンなお前は気が付かなかった。それだけだ」
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