「あれー?ペンキ無くなっちゃった」
突然、紅羽先輩の困り果てたような声が耳に入ってくる。あたしは急いで紅羽先輩の元へと向かい、声を掛けた。
「あたし取って来ましょうか?」
「え…でも…」
「雑用は下っ端に任せて下さい!それが後輩の役目ですから」
「じゃあ…頼んじゃおうかな?赤色のペンキなんだけど…」
紅羽先輩は少し申し訳無さそうな表情を浮かべているけど、あたしはその感情を消し去るように、ニコッと笑う。
「赤ですね?今すぐ取ってきます!」
瑞兄に資料室に行く事を伝えたあたしは、軽い足取りで生徒会室を出て行った。
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