先生を言い負かしたところで、別に優越感には浸らないが、架月を連れて来るという、絶対にやりたくない行為は無しになった。
大体、教員が授業中に「連れて来い」だなんて、言っていいの?
声だけやたら大きい、熱血漢の3文字がぴったりのこのウザイ教員を見て、嫌気が差してくる。
晴れない気分で、雲一つない、晴れた空を見上げる。
「遅れました」
予鈴が鳴っただけで、別に遅れた訳じゃないのに。
ガラリとドアを開け、いつもと同じ、棒読みでさっさと告げる。
「架月。今何の時間か分かってるのか?授業だ授業。授業に遅れたんだぞ」
「知ってます」
「『知ってます』じゃないだろ!!俺に対して何か言うことは無いのか!」
「すみません……」
あれ、珍しい。
いつもは無視してさっさと席に着くのに。
ところが、架月はその後に言ったのだ。
「……って、言えばいいんですよね?」
……何言っちゃってるのこの人!!


