「私、普通にしてたんだよ。普通に……。普通に、鞄取りに行ったんだよ……」
その言葉から、次々に疑問、怒り、その他全てが湧き出てくる。
「鞄が取れなかったの!金具が壊れてて鞄が取れなかったんだよ!
でも架月が居たから音立てて外せなかったの!で、どうしようか考えてたら架月が来て取ってくれたんだけど!そこまでは良かったの!!」
「剣、落ち着いて。とりあえず、落ち着こうよ」
一度、大きく深呼吸してみる。
そして言葉を続けた。
「で、帰ろうとしたら顎持ち上げられた」
「ちょっと待って。顎って?」
「顎掴まれて持ち上げられた」
「そ…それから……?」
「うん。それから……された」
沈黙が私たちを支配する。
出来ればそのまま支配してて欲しいのだけれど。
意外にも千波が、その沈黙を破った。
「それって、ただ単に架月くんが剣ちゃんが好きなだけなんじゃない?」
「千波、それふざけてるの?」
「ふざけてるのは剣ちゃんでしょ?馬鹿な事言わないの」
ごめんなさい。


