覚えているも何も……。
そっちからやってきた事じゃないか。
あの時の時間、見える風景、声、感触……。
鮮明に覚えてしまっている。
「……覚えてるよ」
「そっか。ならその方がいいな」
私の顔を見ずに、淡々と喋る架月。
何?
何言うんだろう?
「俺さ、」
架月の声が、やけに響く。
「満原が……」
ゴクリと唾を飲み込む。
まさか……
今ここで告白?
いやいやいや、それは絶対に有り得ない。
場所にしろ、状況にしろ、ここで「好きだ」なんて言ったら、架月の目は間違い無く節穴だ。
「面白い奴だと思うんだよ」
………。
もう1回言え。


