「架月、クールって感じがしない？それが売りなんだから」
「ふーん」
「俺様キャラも入ってると思うし」
「へえ」
「剣、人の話をちゃんと聞こうよ」
鈴音に言われた。
まあ、確かにそうだ。
「うん……、ごめん」
「剣、何があったか教えてよ」
「え……」
鈴音に「惚れちゃだめだからね！」と言われた後に、この話をするのはさすがにマズイ。
「大丈夫、気にしないで」と言おうとしたその瞬間。
「剣ちゃん、そろそろ言わないと、剣道部の後輩さんたちにこの写真見せるけど。
いいよね？」
いつもと変わらずおっとりとした口調で、にっこりと笑っている千波が、私の目の前に携帯電話を見せている。
千波、さっきまで居なかったはずなの……
に？！！
「ちょっと……！その写真…！！」
「袴に着替えてるとこだけど？」
画面には、私が部室（個室）で着替えている時の写真。
「何で千波がそんな写真……」
「んー。こういう時に使えそうかなって思ったから？ね、使えるでしょ」
そう言って、満面の笑みを見せる千波。
これって、盗撮だから犯罪じゃないの？
「私、マネージャーしてて良かった。ね、鈴音ちゃん」
