自分の席に戻って、椅子と机を持ち上げる。
……置き勉なんて、するんじゃなかった。
重たい机を運びながら、よろよろと前へ進む。
こういう時、女子から道を譲られるから楽なんだけど、何だか悪い気がする。
「ごめんね」と言いながら、やっと新しい席に着く。
うん。
日当たり良好。
風も吹いてくるし。
内職しても、バレなさそう。
ここだったら、多少寝てても気付かれない。
この席、すっごく良い!
フウッと息を吐いて、机に突っ伏す。
窓からは、中庭が見える。
机に突っ伏しているから、見えるのは木の緑色の葉っぱばかり。
落ち着くなー………。
そんな私のイイ気分は、ある男子生徒1名の言葉で壊されてしまった。
「おっ、架月の席、1番後ろじゃんよ!」
は?
今、こいつ何て言った?


