「そうそう、榊くんも誘ったの」
やっと腕を離し、ベッドの脇に座る2人。
「珍しいね。千波が榊を誘うなんて」
笑いながらそう返事をする。
「千波、それただのパシリに使っただけでしょ」
その横で、冷ややかな鈴音のツッコミ。
……やっぱりね。
「お見舞い用の花、買い忘れちゃって。お願いだからって言ったら財布だけ持って行っちゃっただけだよ?」
脅迫!
「もういいよ……。私のお見舞いに花なんか買わなくて良いのに……」
「ダメだよ!お見舞いって雰囲気が大事じゃん!」
「鈴音、ゴメン。分からない」
そんな事を言える時間が大事。
馬鹿みたいに笑って。
病室なのにこんなに騒いじゃって。
ああ、私
本当にしあわ…
「満原あああ!!」
うん。
これも幸せの1つ……
だよね?