良かった。
2人とも、まだ、温かい。
ぎゅうっ、と優しく抱きしめてくれている2人に、私は何も言えなかった。
「ありがとう……。ありがと……剣……」
胴着に2人の涙が、じんわりと染み込んでいく。
気遣ったのか、右肩には全く触れずに、胸元に顔を埋めている。
見ればブラウスは原形を留めていない。
破られた布の間から、白い肌が見えてしまっている。
これは早く行かないと。
立ち上がって前を向く。
「満原!」
「え?」
架月に呼ばれて振り返ると、私を目掛けて走ってくる。
「退けえ!!」
鬼のような形相で、短い、脆そうなカッターナイフ1本。
可哀想に。
そんな温い同情心を一瞬だけ抱くが、すぐに私も体制を変える。
いける……!


