「何がごめんなんだよ」
パシンッ、と乾いた音がした。
目の前に在るのは、誰かの手。
「…ったく、お前1人でやっつけようだなんて無茶な事考えんな」
ずっとずっと、ここに来て欲しかった架月の声と。
「そうだろ!剣ちゃんはよく頑張ったから!って血ぃ出てる!!」
どこかで頼りにしていた、小野寺の声。
何で場所が分かったんだろう。
そんな事を考えながらも、来てくれた事が、ただただ嬉しかった。
「だから、お前はここで大人しく……。ああ、あいつ等の縄でも解いてやれよ」
ポンと、優しく優しく頭に手を載せる架月。
「……何か、癪に障る」
本当はすごく嬉しいくせに、余計な強がりを見せる馬鹿な私。
それを分かっているのか、
「こう云う時ぐらい、カッコつけさせろ」
と、いつも見せてくれる顔で笑った。
……今日だけ。
こんなのは、今日だけでもう十分だ。
「私が殴られた分、きっちり返してやってね」


