油断していた。
後ろに居る男に気付かないなんて。
ジンジンと痛む右肩を押さえながら、睨みつけると、厭らしく笑う。
楽しそうに、鉄パイプをコツコツと鳴らしている。
「もう1発ぐらい殴っておかねーと」
金髪で、ピアスを開けている、いかにもチャラ男って男に。
こんな奴にやられるなんて。
「じゃーな。剣ちゃん」
最後に映ったのは、男の歪んだ口元と。
真上にある鉄パイプ。
左手には握ったままの竹刀。
ごめん、もう私無理かも。
鈴音や千波、小野寺に榊も。
後輩たちも。
私の竹刀も。
架月も。
ごめん。
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