唇からパタタッと落ちる赤い雫。
それを乱暴に親指で拭う。
竹刀をもう一度握り直し、相手を見据える。
「私を殴った事、後悔するよ?」
今の私が出来る、最大の強がり。
これぐらいしておかないと、頭が持たない。
大声を上げながら、殴り掛ってくる奴らに対し、左に抜ける。
相手も喧嘩慣れしているのか、直ぐに立て直した。
――この瞬間を待ってたんだ。
剣先を目の前に居る男の喉元に当てる。
「ひっ……!」
と、小さく情けない声が聴こえた。
竹刀なんだから、そんなに怖がらなくてもいいはずなのに。
このまま突っ込んだら、男は喉元に確実に突きを喰らう。
彼が動こうが動かまいが、すぐに私が喰らわせるけど。
喉元に当てた剣先を、素早く胸元に移動させ、突く。
「まずは1人目」


