「お前、キスされた男に対して、こういう事しか言えねーの?」
ハァッと大きく、わざとらしい溜め息をついた彼。
その物言いにカチンときて、私も負けじと言い返す。
「だって私、架月に興味無いし、嫌いだから」
2人の間に、沈黙が流れる。
このまま居ても、時間が無駄だ。
言いたい事も言ってやったし。
帰ろう。
私は彼が掴んでいた腕を払いのけ、先程出した筆箱とノートをさっさと鞄の中にしまう。
教室から出ようとした時に彼の声が聞こえたが、無視。
そして、ドアを後ろ手で閉め、大きな溜め息。
ああ。
今日は厄日なんだ。
さっさと家に帰ってすぐに寝よう。


