紳士的なLady




――パキン。


男の声にならない叫びと、虚しく響く脆いもの。



こんな物、素足でも壊せる。


何て脆いのだろう。




携帯のプラスチックの破片が、足の裏をチクリと刺す。


さすがに素足は痛かった。

ローファーでも履いてくれば良かった。



そう思いつつも、止めに踵で全ての部品を粉々にする。





こんな馬鹿に、私の竹刀を使いたくない。


尤も、竹刀は喧嘩等に使う物ではないが。



ただの欠片となった携帯を、呆然と眺める男を余所に、私はまたも一番近い男の襟首を掴んで訊ねた。



「あの写真、どこで撮ったの?」



なるべく焦っているのを気付かれないように。

平静を装い、静かな声で言う。



「あ…あの……、公園の…」

「公園の?」

「裏…裏の倉庫……」



男の震えている指の向く方向を見ると、小さくて粗末な倉庫がある。



「ありがと」



この場に来て、初めて浮かんだ笑み。


きっと、目が笑っていないんだろうな。