勿論、試合は勝つためだけのものじゃないって事ぐらい、分かっている。
でも、杉村さんには絶対勝ちたい。
ううん。勝ちたい、じゃない。
勝つんだ。
「何?今更悪足掻きしたって無駄じゃな……」
「そうね」
私に嫌がらせをするのなら、ここまで腹が立たない。
私が腹を立てているのは――
「何で、私の友達を捲き込むの」
冷ややかな侮蔑。
目の前に居る、憎い相手への怒り。
友達を捲き込むなんて、卑劣な人間がやる事じゃないか。
杉村さんは、力強く竹刀を振り上げるが、それをさっと横に躱す。
こんなまどろっこしい試合はもう沢山。
「終わらせようか」


