竹刀を払われ、また左手が痛む。
「友達、助けに行かなくていいんだ?」
「やっぱりアンタは結果しか大事じゃないのね」
「でも、結果も出せなくなったらアンタはどうする訳?」
「だって、私が勝つんだから!」
耳元で鳴り響く、不協和音。
全部、全部、私の敵。
そんなのを振り払うのに、時間は使いたくない。
大丈夫。
私は、頑張れる。
「「最低ね」」
私と、杉村さんの声が重なる。
互いの目を見ながらはっきりと。
杉村さんは驚いたのか、少しだけ後ろに引く。
こちらにも、やっと自信が出てきた。
すると、自然に左手の痛みはスッと軽くなった。
よし。
いける!


