彼女たちは一瞬目を泳がせた後、開き直ったかのように、こう言い捨てた。
「そのままの意味よ」
ニヤリ、と悪意のこもった笑みを浮かべる彼女たち。
「……最低ね」
「何とでも言えば?でも、早く行ってあげないとあの子、また襲われちゃうよ?」
また。
「やっぱり、前の件も貴方たちがした事なんだ」
「そうよ。だって私たち、杉村さんに……。っ!!」
得意そうに喋っていた彼女が、手を慌てて口元に持っていく。
喋りすぎなんだよ。馬鹿。
「話してくれてありがとう」
冷ややかに言い放ち。
冷たい笑みを浮かべながら、私は去った。
「試合が始まりますので、選手の皆さんは道場へ入って下さーい」
係の何人かが、大きな声で呼びかける。
この試合に遅れちゃいけない。
だけど、まだ千波が見つかっていない。
会場へ行くのを躊躇していると、ガッと乱暴に肩を掴まれた。


