夏場だから、日が落ちるのは遅いけれど、辺りは薄暗くなっている。
私は重たい身体と心で、坂道をのろのろと歩く。
いつもなら、隣に千波が居る。
だけど、今日は居ない。
一緒に帰るなんて、出来やしない。
現に、千波を置いてここまで来た。
「仲直りしなきゃ」とは思うのだが、変に意地っ張りな私がそれを邪魔する。
「……酷いな、私」
自己嫌悪の言葉をポツリと吐き、また駅までのろのろと歩き出す。
駅に着くと、やはり部活動生が帰る時間だからか、かなり混んでいる。
その中に1人、私の方向へと歩いてくる人が居た。
私を睨んで、睨んで。
わざと音を立てているかのように、カツコツと、ローファーを踏み鳴らしながら、私に向かって真っ直ぐ歩いてくる。
……あ。
この人、知ってる。
「見つけたわよ……!満原剣!!」


