「はぁ………」 榊は私と同じ袴姿で、額に手を当ててしゃがみこんでいる。 もういい。 こんな奴、放っておこう。 袴の裾に付いた埃を払い、榊の前を通り過ぎようとした。 が。 「満原」 滅多に出さないような、真剣な声。 振り返ると同時に見える、真剣な瞳。 固く硬く、繋がれた手。 がっちりと、握り締められていて、離せない。 こんな榊、初めて見た。